腰は回らない。〜野球における腰の怪我を防ぐためには〜

腰を痛めてしまう野球選手は多いですよね。
もちろん僕も痛めたことはありますし、それによってパフォーマンスが大きく低下してしまう経験もしています。

 

実は、よく腰を痛めてしまう選手は、ある部分を改善することで大幅に痛みが改善する可能性があります。
実際に、僕自身も腰を痛めることがほとんど無くなりましたし、少し違和感を感じたとしても自分で改善させることができます。

 

・腰が痛くてうまく動けない
・腰椎分離症と診断されてしまった

 

という方は、この記事を読むことで解決の方法がわかるはずです。
ぜひ、最後まで読んでみてください。

 

 

腰椎は構造上、回旋動作が苦手

結論を言うと「腰椎はめちゃくちゃ回りにくい」ので、腰を回そうとすると怪我をします。
なぜ回りにくいのかと言うと、以下の図のように椎間関節がガッポリホールドしあっているからです。

 

この形状のせいで、回そうとしても物理的に制限がかかって回らないようになってるんですね。
腰椎の構造を知れば「腰を回す」と言われている表現が正しいとは言えないことが分かるかと思います。

 

腰椎の回旋角度は、片方5~15度とされています

 

ではどうやって回転運動をしているのか

腰が回らないとなると、どうやって回転しているのでしょうか?
答えは、

胸椎の回旋
股関節の内外旋

という2つの動きです。

 

胸椎の回旋

胸椎は、あまり回旋してくれない腰椎と違い、片方で30~35度回旋します。

可動域を体感できる方法がありますので、試してみてください。

 

①まずは正座をします。
②頭を正面に向けたまま、体を回してみてください。

この時の動く角度のほとんどが、胸椎の回旋角度によって生み出されています。

 

今度は、②で顔ではなく、胸から上を正面に向けたまま体を回してみてください。
おそらく、ほとんど回旋しないはず。

 

つまり、回旋角度を補っているのは腰椎ではない。

 

股関節の内外旋

股関節はこの部分です。
内旋、外旋ともに約45度の可動域があります。

※内旋はウチ股、外旋はガニ股の動きと同じですね。

 

バッティングにおいては、内旋角度が大事になります。バッティングでの内旋は以下の動きです。

①踏み出した脚を固定する。
②右鼠蹊部を絞り込んでいく。

 

ちょっと分かりにくいですが、以下の動きがそうです(左バッター)。
これが右股関節の内旋

 

外旋六筋(お尻の奥深くにある筋肉)が硬くなると内旋しにくくなり、スイング半径に制限が出ます。

 

これが正しい「腰を回す」

つまり、野球における回転動作は

・腰で回るように見えるだけで
・解剖学的に見ると実際の動作は「胸椎の回旋」+「股関節の回旋」で成り立っている

んですね。

 

それを踏まえてプロ野球選手のスイング画像を見てみます。

読売ジャイアンツ 坂本勇人選手

 

胸椎と股関節に大きな動きが見られる一方、腰椎のあたりはそんなに動いていませんね。

 

前提知識が入ると、少し見え方が変わってくるかと思います。

 

 

腰をよく痛める人は、胸椎と股関節の硬さに原因がある

腰を痛めてしまう人は身体が以下のような状態になっているケースが大半です。

 

・胸椎が硬くなっている
・股関節の内外旋が硬くなっている

 

※胸椎については、肋骨と胸骨によって構成される「胸郭」と捉えても良いです。

 

上下(胸椎と股関節)が動いてくれないために腰椎が

「回旋して補わなければ!!」

と限界以上に活動してしまうわけです。

結果、その蓄積で痛みが出たり、骨折にまで至ってしまうということ。

 

日頃から身体のケアをしっかりと行って、腰の怪我を防止しましょう。

 

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